入院生活２

翌日から母子同室。
母乳育児開始。

お乳を飲ませる前に室内にある体重計で赤ちゃんの体重を量る。
飲ませた後、再び量る。
差し引いた重量が飲んだ量。

妊娠５ヶ月頃からあれだけポタポタ垂れて困ったお乳なのに、どれだけ飲ませても体重増加は”０”。
乳腺が良く通っているだけで、母乳量とは全く関係なかった。
（退院後、乳腺もよく詰まったので乳腺の通りもそんなに良くなかったことを知った。ポタポタ垂れてたのは何故だったんだろう？？）

飲む側も飲ませる側も初めてのこと。
その上扁平乳首のせいで、初日から乳首が切れて傷になってしまった。

深夜の授乳。
自分の赤ちゃんが泣いたらちゃんと起きられるかドキドキ。

あまりに神経質になって、同室のほかの赤ちゃんが泣いても目を覚ましていたのであまり眠れなかった。

切れた乳首に吸い付かれると頭に突き刺さるような激痛。
お産のせいで体中筋肉痛。（パパも指圧しすぎて筋肉痛だったとか）
骨盤にも激痛。
切開縫合の部分も突っ張って痛い。

体を起こすだけでも一苦労。
赤ちゃんを抱き起こすのさえ辛い自分を情けないと思った。

その上のしかかる、体重増加”０”の数字。
お乳が出てないのだから、赤ちゃんも泣き止むはずがない。
授乳の度に新生児室へ連れて行き、砂糖湯を飲ませる。

他の赤ちゃんがうとうと眠りながらちびちび飲む中、周囲の人もビックリする程すごい早さ（５～１０秒程度）で一気飲み。
元気が良いってことなんだけど…。
もし母乳が出ていたら、ちゃんといっぱい飲める子なのに…と思ったら切なかった。。。

生後２日目。
ウソか本当か、体重増加”０”または”２ｇ”(^^;
寝ている間も泣き声がうまく聞き分けられるようになって、ちょっとは眠れた。
４人相部屋の母子同室だったので、周囲の見舞いが朝から晩までうるさかったのだけど…。

生後３日目。
今日の増加はウソじゃない、２～８ｇ。
お乳がやっと出る気になってきたらしい。
お乳は相変わらず切れたまま。
ちぎれるんじゃないかっていうくらいパックリ。
授乳のたびに激痛。

痛みをこらえるのに必死。
背中がつる。
歯を食いしばるので顎が痛い。

退院の日。
新生児室へ行き、セレモニードレスに看護士さんと着替えさせた。

いろいろ夢見て買ったピンクのセレモニードレス。
どんな顔だろう、着たらどんな感じかな。。。
夢を膨らませて、臨月の間部屋に飾って毎日眺めてた。

ドレスに袖を通す。
フリフリで白っぽいピンク色をしたドレスは、あまり色白ではないらしいほのかには似合わなかった。

ずっと夢見てきたこの現実。
似合わなくても、どうでも良かった。
ただ幸せで、無事に出産→退院できたこと、ほのかに逢えたことがうれしくて、着替えさせながら
「似合わない…」
とつぶやいて泣いた。